債務整理で避けたい失敗事例をご紹介!
債務整理をする前に、失敗事例について学んでおくことがおすすめです。
債務整理をすると借金を減らせますが、どのようなケースでもメリットがあるというわけではありません。
「借りたお金は返す」というのが世の中の常識です。
債務整理は例外的に借金を返せなくなった人を特別に救済する制度であり、無条件で利用ができるものではありません。
また、それなりに大きなデメリットも存在しています。
「借金を減額してくれるのであればそれだけで満足だ」などと考えていると、失敗をしてしまう可能性があります。
人生で何度も使える方法ではないので、たった一度きりの例外的な救済手段であると考えて、最大限にメリットがある方法をとるようにするのがよいでしょう。
よくある失敗事例として、任意整理で無理のある返済プランを立ててしまったということがあります。
「消費者金融から300万円の借金があって、そのまま返済を続けていたら利息も含めて500万円になる。
すでに毎月の返済も苦しい。
」というケースで考えてみることにしましょう。
任意整理をして利息をゼロにしてもらったら、単純に考えると200万円を節約できます。
弁護士費用などで30万円かかったとしても、まだ170万円の節約効果です。
「170万円を節約できるのであれば文句はない」と考えて、よく考えずに任意整理を弁護士にまかせてしまったとします。
「利息を全額カットし、元本の300万円を3年で返済していく」という和解内容になりました。
しかし、その後元本を返済することすら難しくなり、2年後に結局自己破産をすることになってしまいました。
この失敗事例では、500万円の借金が300万円になるので単純にメリットがあると考えてしまったことが1つのポイントです。
借金の金額が減額できても、その残った借金をきちんと返済できなければ意味がありません。
「300万円を3年で返済していく」という約束は、きちんと果たされてこそ意味があります。
果たせないのであれば、最初から約束するべきではないのです。
1つの改善策としては、弁護士に相談をした時点で返済が苦しいということを伝えておき、返済期間をもっと延ばしてもらうことが考えられます。
例えば、「300万円を5年で返済していく」という約束ならば無理なく果たせるかもしれません。
あるいは、任意整理ではなく自己破産をするという選択肢もあります。
300万円の借金の返済が苦しいならば、自己破産が認められる可能性があります。
自己破産で免責がおりれば借金はゼロになります。
弁護士費用として30万円~40万円程度はかかりますので、弁護士費用の分割払いは残るかもしれませんが、それでも負担は大きく減ることになるでしょう。
このケースでは結局自己破産をすることになってしまっています。
任意整理をして、2年後に自己破産をしているので、弁護士費用も余計にかかってしまっています。
また、自己破産をするとおよそ5年~10年間ブラックリストにのってしまいますが、ブラックリストから解除されるまでの期間も2年間延びてしまっています。
最初から自己破産をしておいたほうがメリットははるかに大きかったでしょう。
安易に自己破産を選ぶべきではない
しかし、安易に自己破産を選ぶべきではありません。
自己破産をすると、最大で10年間ブラックリストにのってしまいます。
28歳のときに自己破産をしてしまったら、10年間銀行のローンの審査に通らなくなります。
33歳のときに結婚をしてマイホームを持ちたいと思っても、住宅ローンの審査には通りません。
絶対にローンの審査に通らないというわけではありませんが、信用を重視する銀行がブラックリストにのっている人にお金を貸す可能性はかなり低いでしょう。
クレジットカードの審査にはおよそ5年が経過したら通るようになるようです。
近年ではプリペイドカードやデビットカードなども登場しているので、クレジットカードがもてないということはそれほど大きなデメリットではないでしょう。
しかし、いざというときにお金が借りられないということは、思わぬトラブルになることがあります。
例えば、車が必要な地域に住んでいる人などは、ディーラーローンの審査に通らないと困るでしょう。
自社ローンを利用するという手もあるので、解決策が全くないというわけでもありません。
自己破産をすると全ての借金を整理することになります。
連帯保証人がついている借金がある人は、連帯保証人に迷惑がかかってしまいます。
例えば、学生時代に奨学金を借りていたという人の場合、自己破産をすると連帯保証人になってくれている親などに迷惑がかかります。
分割払いの権利なども失われてしまっているので、奨学金の残高が200万円なら、200万円の一括請求が親などに行ってしまうでしょう。
自己破産をすることのデメリットは一般人が思っている以上に大きいので、できることならば利用をしないようにしておきたいものです。
債務整理をするとしても、任意整理で解決をしてしまうことが理想です。