自己破産できる借金とはどのようなものか?
返済が免除される自己破産は、借金の種類や状況によって受けられるかどうかが決まります。
自力で3年以内に返済できる見込みがある人は、返済能力を有していると認められる傾向です。
破産は支払不能状態を証明しないとできませんから、返済できる余裕があれば自力で完済を目指す必要があります。
収入に対する返済額の大きさがポイント
判断のポイントは収入に対する返済額の大きさで、完済が難しいと認められるか否かです。
例えば月収20万円くらいの人が数千万円の借り入れをしていれば、支払不能状態だと判断される可能性は高めです。
また銀行や消費者金融など、複数の金融機関から借り入れている場合も当てはまりやすくなります。
借り入れ額が200万円位であっても、返済を続けて借金が減ったり完済する見込みがなければ、自己破産できる可能性は十分に高まります。
毎月返済しても生活費が残る、あるいは借り入れが少しずつでも減っているなら、それは支払不能状態とはいえません。
借り入れ先に相談して待ってもらえるなら完済可能と判断
一方で毎月の返済額が多くても、借り入れ先に相談して返済を待ってもらえれば完済可能と判断されるでしょう。
自己破産することができない「免責不許可事由」とは
自己破産には免責不許可事由というものがあって、いずれかに該当すると破産が認められなくなります。
防げた可能性があるギャンブルや浪費癖
ギャンブルや浪費癖で借り入れが増えた場合は、本人が招いた結果であって、防げた可能性があるので免責不許可事由に該当します。
財産を隠して不誠実なことをする
財産を隠すなどの不正行為は論外ですから、これは誰が考えても免責不許可事由だといえます。
返済能力を有しているにも関わらず、不当に資産を小さく見せるわけですから当然です。
申し立てを行う際に嘘の情報を記入して裁判所に提出した場合も、やはり残念ながら免責は受けられなくなります。
裁判所にとっては不誠実で、真面目に悩んでいるとは思えない印象を与えてしまいます。
債権者を不平等に取り扱う
債権者の一部に借金の返済を行った場合も、債権者を不平等に取り扱ったとして免責不許可事由の判断が下ります。
金融機関の返済は難しくても家族や友人にだけは返しておきたい、こういった理由で返済を行うと破産は難しくなります。
破産手続き前のローン購入、現金化など。
破産の手続き前にクレジットカード、あるいはローンで購入した商品を現金化した、これも免責不許可事由の一つです。
裁判所は借り入れの履歴だけでなく、直近の利用や行動を含めて総合的に判断します。
怪しげな行動を行うとバレますから、目を付けられて不利にならないように堂々と振る舞うことが大切です。
債権者は隠さない
債権者を隠した申し立ても免責不許可事由の一項目なので、借り入れ先を秘密にしたままの申し立ては行えないと分かります。
自己破産の注意点
再び破産の申し立てが行えるのは7年後
一度破産の経験がある人なら誰でも知っているのは、再び破産の申し立てが行えるようになる7年という期間です。
借り入れの審査が認められるのは
7年といえば新たに借金を作れる頃で、借り入れの審査が認められる年月です。
金融機関によっては7年が経過しなくても借り入れられますから、もう一度破産しないように注意して借り入れることが必要です。
万が一7年経過する前に返済が難しくなってしまうと、返済が追い付かなくなり行き詰まってしまいます。
この状態で借り入れを増やすとまさに泥沼ですから、再借り入れはより計画性を持って行う点が重要となります。
闇金からの自己破産は難しい
自己破産において案外見落としがちなのは、いわゆる闇金から借り入れているケースです。
弁護士は一般的にトラブルを嫌って闇金を避けるので、依頼どころか相談にも乗ってもらえない場合があります。
ただ近年は依頼を引き受ける事務所もありますから、そういった相手を探して相談すると活路が開けます。
債務整理で必要な費用
弁護士費用は分割払いもできる
しかし弁護士はあくまでもビジネスなので、弁護士費用が支払えないと協力が得られません。
費用の目安は約30万円といわれていますから、まずは費用を用意して相談相手を見付ける必要があるでしょう。
逆に現在では弁護士費用の貸し付け制度や、分割払いに対応する法律事務所もあるほどです。
費用が原因で相談できないケースは限られているので、この条件はあまりハードルにはなりません。
裁判所に収める予納金
初めて破産の申し立て手続きを行う人が戸惑うのは、裁判所に収める必要のある予納金です。
予納金とは裁判に掛かる費用のようなもので、最初に収めなければ裁判自体が行われなくなります。
金額は借金の状況によりますが、少なくとも2万円から3万円は必要になります。
反対に管財事件であれば50万円程度ですから、この辺りが上限になるものと思われます。
少額管財事件だと約20万円の予納金が発生しますが、申し立ての時点で財産を持っていないケースが大半なので大抵は2、3万円程度で収まります。
生活保護を受給している人は管財費用の援助が受けられるので、こちらも不安がらずに相談することが肝心です。
自己破産はできない場合もありますが、多くはやむを得ず借り入れを始めたり、返済が難しくなる位まで借金が増えてしまったケースです。
正規の金融機関から借り入れをしていて、返済が難しいと認めてもらえれば返済が免除されます。
弁護士費用は気になる出費ですが、相談次第で分割や貸し付けが受けられますし、予納金も高額ではないので大丈夫です。
自己破産を考える時は、これらの項目を一つずつ確認すると実現の可能性が判断できます。