着手金は一般的にどれくらい必要になる?
債務整理をする際には自分だけで行うことはまず無理です。
裁判所で手続きをする場合や金融機関と交渉をする場合、色々と手続きをしなくてはならないため素人では難しいことが山ほどあるからです。
そのため、司法書士や弁護士に着手金などを支払って債務整理をお願いするのが一般的です。
では、どれほどの着手金が必要になるのか様々なケースから値段が決まっていきます。
以前は弁護士報酬の基準が存在していた
弁護士に依頼する場合は以前であればしっかりとした報酬の基準が存在しました。
例えば法律相談料として30分で5000円から2万5000円の範囲で設定され、着手金は経済的な利益の額で決まっていました。
この場合の経済的な利益は弁護士に依頼して得られるお金であり、例えば100万円だった場合にはその8%である8万円が該当します。
現在はこうした基準は撤廃されているものの、相場がよくわかっていない弁護士が多いためにこの基準を軸に多少安く推移しています。
そのため、弁護士に依頼する場合はそのあたりを参考にするとイメージしやすいです。
債務整理の方法によっても値段が大きく変わる
一方で債務整理の方法によっても値段は大きく変わります。
自己破産や個人再生のやり方だと裁判所へ提出する書類などを弁護士などが作成しなければなりません。
またその作成した書類を弁護士に依頼すれば裁判所への提出や審議への同席なども一緒にしてくれて心強いですが、司法書士は裁判所への提出は本人が行って審議への同席もできません。
審議によって免責かどうかが決まっていく重要な場所であることから、失敗は絶対に許されません。
自己破産を弁護士に依頼すれば20万円から50万円、司法書士に依頼すればそれより安い着手金で引き受けてくれます。
もし司法書士に自己破産に関することをお願いする場合は、裁判所での審議をどうしていくかについて対策を立てないといけません。
審議の場でどのようなことを聞かれるかはだいたい決まっています。
借金がどうしてできたのかとかギャンブルなどで作った借金ではないのかなど事細かに聞かれていきます。
こうしたことは提出した書類や調査によって判明するために司法書士に前もってちゃんと伝えていれば何の心配もいりません。
あとはどのような質問が飛んでくるかをシミュレーションしておけば、過度に怖がる必要はありません。
個人再生の場合は自己破産よりも高くなる傾向にあります。
自己破産のように単に借金を帳消しにするだけでなく、借金を圧縮してからの返済プランを作成しそれを債権者に見てもらって納得してもらう必要があるためです。
そのため、自己破産の時よりもさらに慎重な書類の作成が求められるため弁護士でも50万円前後の着手金が必要です。
司法書士でも30万円程度必要ですが、司法書士では個人再生委員に対する報酬が高くつくため、トータルで見ればあまり変わりません。
個人再生委員はそのプランに実現性があるのかをチェックしてもらうことになり、その費用だけで結構かかります。
その点、任意整理の場合は司法書士でも場合によっては交渉できるためにかなり費用を抑えられます。
相場としては1社につき3万円程度です。
5社あれば15万円で済むため、あまり費用は発生しません。
しかも債務額が一定の金額以下であれば司法書士も交渉の窓口になれるため、競争が激しいのも特徴です。
競争があるところでは値段が下がるように任意整理に限れば着手金無料で行うところも多く存在します。
過払い金請求などはグレーゾーン金利に借金していればほぼ確実に返ってくるという事情も見え隠れします。
「初期費用無料」のところが増えている
初期費用を無料にしてくれるというサービスは様々なところで行われています。
一見するとお得に見えますが、その分成功報酬が高くなることがほとんどです。
逆に初期費用が最初にかかっていれば、報酬金まで高くなることはなく後に払うか先に払うかだけの違いとみて問題ありません。
失敗すれば支払われない費用と捉えれば、確実に借金を圧縮してほしいという願いを込めて初期費用がかからないところにお願いするというのがおすすめです。
もしそうした費用が支払えないという場合は分割払いや法テラスでの貸出制度の利用が必要です。
分割払いはすべての費用をゆっくり返していくやり方です。
その返済に多少の時間はかかるものの、借金自体は確実に圧縮されます。
法テラスでの貸出制度は低所得者などを対象としたものであり、債務整理をしたい場合には頼りになります。
自己破産や個人再生、任意整理を考える場合は利用できるかどうかを調べておくことをおすすめします。
数十万円単位で費用を用意するのが一般的ですが、そんな費用があったら借金返済に使っていると思う人も当然ながらいます。
その場合は事務所によって分割払いの制度があるところや法テラスの貸出制度を利用して素早く返していくことが必要です。
だらだらと返すのではなく、スパッと債務整理をして1日でも早く借金をなんとかする方が長期的に見てプラスです。