自己破産は会社にバレる?
自己破産は借金すべてを免除して貰う事が出来る債務整理です。
破産と聞くと、財産すべてを失うなどのイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
不動産などについては処分をしなければなりませんが、家を失うと住まいの確保が出来ない場合もあるので、一定期間住み続ける事は可能ですし、自由財産と呼ぶものは手元に残しておけます。
例えば、99万円以下の現金については生活費などで使う目的で手元に残しておけるなどからも、財産すべてを失う事はありません。
自己破産が可能な場合とは?
一般的に自己破産の手続きが可能になるのは、返済能力がゼロと認められるケース、ギャンブルなどの借金ではないなどの諸条件があります。
仮に、借金をした理由が競馬やパチンコなどのようなギャンブル目的の場合には破産申し立てを行っても手続きを行う事は出来ないわけです。
自己破産の手続き方法
自己破産の手続きは裁判所に破産申し立てを行い、裁判所の中で破産管財人が選出される管財人事件と同時廃止のいずれかで手続きが進められる事になります。
同時廃止は換価する財産を所有していない場合、申し立て直後に判決が言い渡されて破産の手続きを進めるなどの特徴があります。
これに対して、管財人事件の場合は裁判所内で弁護士が選任されて、財産調査や管理、換価したお金を債権者に対して均等に支払うなどの流れで進められるもので、同時廃止と比較すると時間を要します。
自己破産しても会社は解雇出来ない
所で、会社勤めをしている人の中にも借金問題で返済が出来なくなり、自己破産するケースもありますが、この場合会社にバレたら困るなどと考える人も多いのではないでしょうか。
確かに破産をした事が社内に知られてしまうと居心地が悪くなる、陰口を叩かれる事もあるわけで、不安も募る事になります。
ちなみに、破産の手続きを行って知られてしまった場合でも首になる事はありません。
これは労働基準法の中にある懲戒解雇理由には破産は含まれていないためで、解雇になる事はないわけです。
自己破産が会社に知られることは『基本的に』ない
自己破産の手続きを行っている場合は弁護士を利用して債務整理の手続きを進めるケースが多いわけですが、弁護士に依頼をした場合は弁護士介入通知を債権者すべてに送付してくれます。
弁護士介入通知は債務者への電話連絡や面会を禁じる効力を持つもので、債権者が勝手に会社への電話連絡を行う事がないため、債権者から知られる心配はありません。
裁判所での決定事項は国の情報誌でもある官報に掲載が行われる事になり、破産手続きについても官報への掲載が行われます。
官報からばれるのではないかと不安に感じる人は多いかと思われますが、一般の人が官報を見る事はないなどからも、官報から知られる心配もないわけです。
会社から借金しているなら気を付けよう
情報が入手する可能性は限りなくゼロに近いのですが、注意しなければならないのが会社から借金をしているケースです。
任意整理や個人再生などの債務整理の場合は借金の種類を選択して借金問題を解決出来ますが、破産の手続きの場合はすべての借金が対象になるため、債権者となるのが会社になっている場合には手続きを開始した事を知られてしまうわけです。
破産手続きには様々な書類が必要
また、破産手続きを進める時には色々な書類を用意しなければなりませんが、提出する書類の中には源泉徴収票や給与明細書など収入に関する書類を用意する必要があります。
これらは、既に持っているものですから、社内に知られる心配は要りません。
会社に用意してもらう書類もある
しかし、書類の中には退職金見込み証明書を裁判所に提出する必要があり、この書類は会社に対して作成依頼をしなければなりません。
ちなみに、退職金見込み証明書は辞めた時に支払いが行われる退職金が幾らになるのかを知るための書類で、破産の手続きの中では必ず必要になるものです。
一般的に、定年を目の前にしている時以外で退職金見込み証明書の書類を請求するケースは少ないため、請求が行われる事で何に使うのかと疑問に感じるケースもあります。
但し、提出先や理由などを説明しなければ良いわけですから、退職金見込み証明書で知られてしまう心配もないわけです。
仮に、理由や提出先などの説明をしなければ発行して貰えない場合でも、就業規則を初め、退職金支給規定の中で退職金額の算出方法が定められている場合は自ら計算書を作成して提出すれば良いケースもあるので安心です。
ちなみに、退職金見込み証明書については債務整理を依頼している弁護士に相談する事で最適な方法を選択してくれるため、退職金見込み証明書を請求した事で知られてしまう心配もないわけです。
会社からの借金は極力やめよう
結論から言えば、借金をしている先に社内が含まれていなければ知られる心配がないわけです。
仮に借金をしている場合でも、自己破産ではなく、個人再生などの手続きで行えば借金を選んで債務整理が出来ます。
個人再生の場合はマイホームを所有している場合でも、マイホームに住み続けて借金問題を解決出来るなどからも、弁護士への相談を行うのが大切で、借金をしている先などについてしっかりと伝えておきましょう。