債務整理と自己破産
借金問題を解決して新たな人生の再出発を支援してくれる制度が「債務整理」です。債務整理とはその名の通り借金を整理して返済可能な状態に見直すことができる制度で、成功すると膨らんだ借金が返済できる金額まで減額され、無理なく完済できるようになります。
債務整理の中でも特別扱いされるのが「自己破産」です。自己破産は任意整理や個人再生など他の債務整理方法とは大きく異なります。債務整理が基本的に借金を見直すことがあっても残りの債務は完済しなければならないのに対し、自己破産ではすべての債務が免責されます。
簡単にいえば借金がチャラにされ、借金がゼロになる非常に強力な手続きなので、他の債務整理とは区別して扱われるケースがよく見られます。
自己破産をためらう必要はない
借金返済に苦しんでいる状況でも、自己破産をためらう人は少なくありません。自己破産という言葉の響きは破滅や破たんをイメージさせますし、自己破産したら人生の終わりだと思い込んでいる人も多く見られます。
自己破産は最後の手段ではありますが、人生の終わりや破滅を招くものではありません。むしろ借金に行き詰まった人を救済する救いの手であり、人生の再スタートを切る大チャンスです。借金問題解決の手段として自己破産しか方法がないのならためらう必要などどこにもありません。堂々と自己破産して借金返済に追われる日々から脱出しましょう。
借金問題解決に自己破産を選ぶべき3つの理由
返済義務が消滅する
借金問題解決に自己破産を選ぶべき理由として、最も大きいのが「返済義務の消滅」です。
借金返済のためのコツや努力をどれだけ続けていても、膨らみきった借金返済には追いつきません。どんなに頑張っても積み上がる利息の方が返済額を上回るようになれば破たんは確実です。本来はそんなに高額を借り入れないのが借金のコツですが、借金がかさんでしまってからではどうにもなりません。
自己破産するとすべての債務が免責され、返済義務は消滅します。任意整理や個人再生は、返済負担は軽減されても残債の返済義務は生じるため、収入の少ない人や理由があって働けない人は、債務整理をしたのに再び返済に行き詰まってしまう可能性があります。
自己破産で債務整理すれば、苦しい返済の日々は手続きが成立した時点で終わります。これ以上、借金に苦しめられることはないので新しく人生をやり直せます。
ブラックリスト入りのデメリットは対処可能
自己破産のリスクとしていわれているのが「ブラックリスト入り」です。ブラックリストとは金融機関が共有する信用情報の中のネガティブ情報のことです。金融事故歴や金融上の信用を大きく損なう事実があるとブラックリストに個人情報が登録され、新たな借り入れやクレジットカードの新規発行などが最低5年は不可能になります。
ブラックリストの影響は無視できませんが、やり方次第で対処は可能です。新たな借り入れができなくても借金しないよう、堅実に生活していれば全く問題ありません。再び借金で生活が破綻してしまうことを防げると考えれば、デメリットではなくプラスの効果とも考えられます。
クレジットカードの新規発行禁止も不便は生じますが、現金払いなら以前と変わらず問題なく決済できます。どうしてもクレジットカードがほしいのなら銀行口座から直接支払う「VISAデビットカード」や、先払い式プリペイドクレジットカード「Vプリカ」などを用意すれば、クレジットカードとおなじ感覚で決済に使えます。
ブラックリストは無視できないリスクですが、対処は可能です。自己破産の効果の強さを考えれば、ブラックリスト入りを恐れて債務整理をためらう理由はありません。
対象外なら資格制限は影響なし
自己破産手続きに入ると、一部の職業で就業が禁止される資格制限が発生します。資格制限の対象になるのは警備員や一部の公務員、士業や会社役員など、社会的信用を求められる職業が中心です。
それ以外の職業には一切就業制限が発生しないので、別の職業であれば影響は皆無です。資格制限対象の職業も自己破産成立後であれば復職できるので、債務整理成立までの期間を乗り切れば以前と同じように働けます。