借金が年収と同額まで膨らんでしまったら
返済しようと思っていてもズルズルと返済が先延ばしになってしまい、気がついたら借金が膨らんでしまった。債務問題に悩む人の多くはそんな状況で借金返済に行き詰っています。
借金のコツは毎月きちんと返済していくことですが、わかっていても返済が追いつかないケースもあります。病気や事故など突然のトラブルで返済が難しくなってしまえば借金はあっという間に膨らんでしまいます。
一般的に借金が年収と同額にまで膨らんでしまうと返済はかなり苦しくなると言われています。年収と同額にまで借金が膨らんでしまったらどう対処すればよいのでしょうか?
努力して完済をめざす
借りたお金はきちんと返さないと気が済まない。そんな信念を持つ人が選ぶのは努力してでも完済をめざす選択肢です。借金問題の解決にはいろいろな選択肢がありますが、年収と同額にまで膨らんでしまった借金を完済するのは簡単ではありません。
負担を考えれば別の選択肢をすすめたいところですが、強い意志と努力を怠らない決意さえあれば年収と同額の借金を完済するのは不可能ではありません。
まずは借金の全容を把握することからスタート
年収と同額まで膨らんだ借金を努力して完済すると決意したらまず借金の全容をきちんと把握することからスタートしましょう。借金した経験のない人が聞くと驚かれますが、借金返済に苦しんでいる人の多くは自分がどこからいくら借りているのかを正確に把握していません。
借金しているのに全容を知らないの?と疑問に思われるかもしれませんが借金、特に年収と同額まで膨らむほどの借り入れとなると多重債務や利息による加算、返済のための借金など当初の目的から離れて膨らんだ債務が借金のほとんどを占めています。目先の返済日や返済額はわかっても借金の全容を把握できていないケースがほとんどなのです。
借金の全容を知らずに完済などできるはずがありません。まずは明細や請求書など借金関連の書類を全て集め、どこからいくら借り入れているのかを正確にチェックしましょう。借入先に取引履歴の開示請求をすると過去の返済状況も正確に把握できます。
必要書類を捨ててしまうなど借入先そのものがわからなくなってしまっている場合は信用情報機関に開示請求をする必要があります。信用情報機関とは個人の金融取引に関する情報を取り扱う組織で、個人の借金に関してもすべての情報が集まっています。
本人であれば規定の手続きに従って開示請求を行うことですべての借金の情報を閲覧できるので、自分でも借金の全容が分からないときは信用情報機関の情報を利用しましょう。
主な信用情報機関は「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」「株式会社日本信用情報機構(JICC)」「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」の3つです。それぞれ銀行や貸金業者、クレジットカードなど専門に取り扱う情報に違いがありますがチェック漏れを防ぐためにも3つ全ての情報を閲覧しておきましょう。
多重債務は一本化で完済をめざす
年収と同額まで膨らんだ借金であれば複数の債権者から借り入れている多重債務状態であるケースが大半です。多重債務を完済するのに効果的なのが「借金の一本化」。一本化とはいろいろなところから借り入れている複数の債務をひとつにまとめることです。
おまとめローンと呼ばれる一本化専用のローンを利用して返済用の資金融資を受け、その借入金で多重債務を完済して借金をひとつの借入先にまとめます。
借金を一本化するメリットは管理負担を減らすことと利息負担の軽減です。複数の借入先からなる多重債務はそれぞれの返済日や返済金額を管理するだけでも大変です。借入先が増えれば増えるほど返済日もバラバラになり、個別に返済金を支払うだけで手間と時間がかかってしまいます。
借金を一本化することで支払先は1社、返済日もひとつだけになるので返済のためにATMや窓口をめぐる日々から解放されます。
一本化専用のローンは消費者金融のキャッシングよりも低いリスクで融資が受けられます。借金をまとめることで利息が軽くなり毎月の返済負担も軽減されます。利息だけでどんどん借金が膨らんでしまう状況をストップできれば完済までの道筋も見えてきます。
借金一本化のコツ
借金を一本化するコツは信頼できるローンプランを選ぶことです。金融業者の中には返済負担が軽減されるように偽装して高利のローンプランに借り換えさせる悪質な業者も存在します。借金を一本化するなら一本化専用のローンプランを用意している業者を選びましょう。
金利の安さと信頼度で選ぶなら銀行や信用金庫の一本化専用ローンがオススメですが、年収と同額まで膨らんだ借金となると審査に落ちる可能性があります。消費者金融のおまとめローンを利用するなら実績や利率をしっかり確認して信頼できる業者から融資を受けてください。
家計を見なおして完済をめざす
支出を減らす
支出を減らすのも借金返済に欠かせない努力です。家計支出のうち不要な支出を削るのは当然ですが、年収と同額の借金を返すにはそれだけでは不十分です。支出は必要最低限に絞り、緊急性の低い支出や生活に必須ではない支出は全て削って返済に回しましょう。
生活はかなり厳しいものになりますが年収と同額の借金を完済するにはある程度を超えた我慢と努力が不可欠です。生活の楽しみが減ってしまうのは辛いですがある程度完済の目処が立つまでは甘んじて受け入れましょう。
収入を増やす
収入が増えればそれだけ多くのお金を返済に回せます。正社員であれば残業や休日出勤などで収入をアップさせられますが企業の引き締めが厳しい現状では収入アップは簡単ではありません。副業OKの会社ならバイトで稼ぐという方法もあります。体力的な問題はありますが、休日や終業後にバイトすれば返済金を増やせます。
不要品を処分してお金に変えるのもいい方法です。家にあっても使わないものをネットオークション等で処分すればいくらかのお金になるでしょう。大した金額にはならなくてもムダなものを処分することで生活が見直されれば不要な支出を削ろうという意識が高まります。
リサイクルショップはその場で買い取ってもらえて便利な反面、買取額が低いので時間と手間をかけてでも自分で買い手を探したほうがお金を増やせます。
債務整理で解決を目指す
どう頑張っても返済が難しい場合は債務整理による解決を目指すことになります。債務整理するとブラックリスト入りするなどデメリットも生じますが、年収と同額の借金返済の負担が軽減されるのであればメリットがデメリットを上回ります。
債務整理するなら早くしたほうが成立見込みは高まります。完済をめざす意志と努力は評価できますが、なるべく早く決断するのが債務整理のコツです。
任意整理で返済負担を減らす
任意整理は債権者と債務者の話し合いによって借金問題の解決を目指す債務整理方法です。債権者が任意整理に応じるのは全額免責されるよりも減額に応じてでも回収したほうがメリットがあるからで、拒否すれば自己破産で債務がゼロになる可能性が高い金額であるが、年収と同額の借金であれば高確率で任意整理が成立するでしょう。
任意整理のコツは「過払い金」と「将来利息カット」です。グレーゾーン金利が適用されていた時期の借金が債務に含まれている場合は支払い過ぎた利息分を過払い金として取り戻すことができます。過払い金を債務から差し引くことで借金減額が見込めます。
将来利息のカットに成功すれば債務の額を確定しこれ以上借金が利息で膨らまなくなります。返済に応じて借金は減っていくので、返済に利息が追いつかない事態を防げます。
任意整理は通常3年、最長5年で債務を完済しなくてはいけません。年収と同額の借金だと単純計算で年収の5分の1が返済金にあてられる計算です。年収の5分の1は楽な数字ではありませんが生活に深刻な影響を与える数字ではなく健全に生活すれば十分完済が見込めます。3年では破綻リスクがあるが5年なら確実に完済できる、とアピールするのが返済期間を5年にのばすコツです。
自己破産で解決する
任意整理でも解決できない借金は自己破産による解決が最適です。自己破産すれば年収と同額の借金はすべて免責されます。債務整理に伴って資産の大半は処分されてしまいますが生活に必要な最低限の資金は保有が認められます。預貯金の上限は20万円、現金だと99万円なので手続き開始前に99万円の預貯金を引き出しておくのがコツです。